
こんにちは!
アプリゲット編集部の阪森です!
フランスに本部を置くゲームロフト。「モダンコンバット」や「アスファルト」など、ヒット作品を連発しているものの、どんな会社なのかはあまり明らか位にされておらず、謎も多い会社です。
そんなゲームロフトについて詳しく知りたい!ローカライズがメインというイメージがあるが、もしかしたら日本オリジナル作っているかも?ということでインタビューをしてきたぜ!
インタビューに対応いただいたプロダクション部プロデューサーの濱島弘樹氏。しっかりとモダンコンバット5のTシャツを着て登場。
これは受付で撮った写真ですが、受付から社内の様子がちらりと透けて見えていました。
―アプリゲット編集部の阪森です。今日はよろしくお願いします!最初に、濱島さまのゲームロフトでの役割が教えて頂けますか?
濱島:日本マーケット向けのプロジェクトが2本走っていまして、そのうちの1本を担当しています。
―いきなり聞きたかった事の1つが聞けてしまった気がしますがそれについてはまたのちほど!では、ゲームロフトについて簡単に教えて頂けますか?
濱島:ゲームロフトは据え置き機以外のゲームを開発していこうということで1999年にフランスで立ち上がった会社です。その中にはフォーチャーフォン向けのゲーム開発と、ニンテンドー3DSのような携帯ゲーム機向けのゲーム開発が含まれていました。
スタート当初はその軸で開発をしていたのですが、携帯電話市場がフィーチャーフォンからスマートフォンに移行していったじゃないですか。
海外だと日本よりもスマートフォンへの移行が早かったので、2010年頃でしたかね、そのタイミングでフィーチャーフォンの開発を一切やめてスマートフォンのネイティブゲーム開発にシフトしたんです。
2010年にフィーチャーフォンからスマートフォンに一気にシフト
―「徐々に移行」ではなく、完全にやめて切り替えたんですか!?
濱島:そうなんです。グローバルでスパっと一気に切り替えました。
日本ではGREEさんをはじめとしたソーシャルゲームもまだそこまで有名になっていない時期だったのでかなり早かったですよ。
スタートが早かった分、開発ノウハウも蓄積がありまして、そこは今の開発体制の大きなアドバンテージになっていますね。
その後は携帯ゲーム機向けの開発もやめて現在は完全にスマートフォンに集中しています。
―決断の早さと思い切りがすごいですね‥!

モダンコンバットシリーズとアスファルトシリーズは同社の代表作品。クオリティの高さは折り紙つきだ。
2014年からは日本の市場を最重要視。東京スタジオの裁量も増した。
―本社はフランスですが、フランスの本部と日本法人の関係について教えて頂けますか?
濱島:以前は日本のマーケットはそんなに重要視されていなかったんですが、2013年にアメリカを抜いてモバイルの市場規模で1位になったことを受けて「日本向けのゲームをしっかりつくろう」という方針に変わりました。
それまでは本部が作りなさいと言ったものを作ってきたんですが日本の市場を知っているのは日本のスタジオだろうということで現在はある程度の裁量を東京スタジオで持って開発に集中しています。
―ある程度というのは
濱島:わかりやすい違いで言うと、以前は毎週必ず本部と進捗確認のミーティングがあったんですね。そこであれはどうなった、これはどうなっていると毎回報告しなければ行けなかったんですが、今はそれがほとんど無いです。
というのも、東京スタジオの責任者は本社勤務経験もある外国人で、彼が東京で直接開発を統括しているためです。おかげで、スピード感はもとより、日本人スタッフの意見を積極的に反映してもらっている、という意味で、ある程度の裁量をいただいている、と言うことができますね。
東京スタジオのオリジナル作品に人員を多く割いている
―日本だけでほぼ完結できるというのは意外でした。マーケットの重要度が高まったことに合わせて開発体制も強化されているんですか?
濱島:開発の点においてはまだまだ東京スタジオの人数が少なくて世界各国の協力も得ながら作っているのが現状です。
―全世界では、何名いるんでしょう。
濱島:全世界ですと開発者が5200名以上いますね。
日本ではこのスタジオの中に50名弱が在籍しています。
―日本スタジオの理想の人数はどのくらいだとお考えですか?
濱島:今の日本のマーケットからすると、この倍の人数が欲しいですね。
ただ、今制作している2本のオリジナルタイトルで実績を作って、その結果次第で日本スタジオを拡大していくかどうかが決まっていきます。
責任は大きいですね。
―冒頭でおうかがいした2本の日本オリジナルタイトルですね!?
期待しております!「モダンコンバット」や「アスファルト」など、グローバルで開発したタイトルのローカライズも引き続き行っているんですか?
濱島:そうですね、以前の東京スタジオはローカライズ・カルチャライズがメインで、ほぼすべてのプロジェクトがそういった役割でしたし、今もそれらについては変わらず行っています。
―人数比でいうとオリジナルとローカライズではどちらが多いんですか?
濱島:オリジナルのタイトルのほうがローカライズ担当より多いですね。
グローバルのUI担当が東京スタジオに居着いている!?
―グローバルなタイトルを作るときに日本から何か参加することはあるんですか?
濱島:あります。実は東京にはQAのチームがあって、全世界で作ったゲームのQAをマネージメントしているんです。それが世界タイトルに一つ貢献しています。
それから開発チームにワールドワイド UIディレクターが常駐しておりまして、彼は日本のタイトルだけを見るのではなくて世界のタイトルのUIを監督しているんです。
―それはその方が優秀だから?それとも日本だからですか?
濱島:もともと彼はバルセロナスタジオで働いていたのですが、
日本のマーケットが大きくなり、日本にも興味が湧いたそうです。数ヶ月の予定で長期出張して、実際に日本で働いてみたところ、どんどんハマって、東京に移ることになったのです。
若手にとってはUI設計を教えてもらったり、いい刺激になっていると思いますよ。
ゲームロフトでは、会社からの指示もありますが、社員の希望から海外への転籍が決まったりすることも珍しくないんですよね。
―それはうらやましい環境ですね・・・!
社内の人数の構成についても教えてもらえますか?
濱島:ここにいる人間は50人弱なんですが、開発メンバーだけではなくて、リクルーティング・バックオフィス・マーケティングプロモーションの担当をしている者が10人弱。それ以外は開発と考えてもらえばと思います。
エンジニア、プランナー、デザイナーが大体、等分ぐらいの人数構成でやっていますね。プランナーの中でも決まった役割があるのですが、それ以外の項目の担当であっても仕事を広くこなしています。エンジニア出身のプランナーもいますね。

社内の休憩スペースには無料のドリンクやゲーム機が充実している。昼休みはここに集まって据え置き機で遊ぶ派と携帯ゲーム機で遊ぶ派に分かれ遊ぶことが多いそうだ。
残業することは少なく、19時になった時点で50%はいなくなっており、20時になると10人程度、21時になるともう2〜3人しかいないとのこと。
強みは開発力、弱みは運営力
―いまのゲームロフトの強み、弱みをなんだと思いますか?
濱島:強みはなんといっても開発力。世界5,000人以上の開発のメンバーを抱えていますので、例えば東京で何かが足りないと言ったときに、カナダモントリオールのスタジオで代わりを作ってもらうといったような作り方ができます。ワールドワイドに人材が協力し合って、一つの開発に関わることができるのは弊社の強みだと思います。
同時に、ネイティブ開発にアドバンテージがありますので一個人の基本的な技術力が高い。彼らと一緒に今後も良いゲームをつくっていくという気持ちが根底にあって、高い開発力・フットワークが弊社のフィロソフィーになっていると思います。
弱みは強みに起因することですが、技術力やクオリティに偏るあまりマーケティング・運営の面で力が足りない。
ゲームが売り切りだった時代はそれで良かったのですが、現在は、開発+運営が両輪で回らなければモバイルゲームは売れない。
日本のモバイルゲームの会社さんは本当に運営力が高くて、そこはぜひ見習って行きたいと思っています。
―今後目指しているものとしては、まずは日本のスタジオで作ったものを成功と運用面での成功がビジョンになるんですね
ちなみに社内の言葉って何になるのですか?
濱島:基本、公用語は決められてはいないのですが、管理職から上の者は英語は必須です。喋れないにしても読み書きは普通にやりなさいという環境になります。
それ以外の実務をこなすプランナー・アーティスト・エンジニアに関しては、外国籍の者も大体日本語ができますので英語が心配な方でも大丈夫ですよ。問題ありません。
―最後に改めて、今後行おうとしていること、求めている人材のイメージを教えてもらえますか?
濱島:ゲームロフトは海外ではとても有名な会社ですけれども、日本でも知名度がイマイチです。まずは日本国内でも知名度をあげていくことを命題に掲げて頑張っていきたいと思います。
日本のマーケットが昨年世界一になったので、全世界的に日本に注力していこうという中で同じ志を持って頑張って頂ける方を広く募集しております。
スタジオの規模が小さいので、一人がやらなければならないタスクが一つだけではありません。仮に2Dアーティストとして入社した場合でも3Dもやりたい、3Dアーティストとして入社したけれどUIがやりたいといったことが言える仕事環境です。前向きに何でも挑戦して、色んなことを吸収してやっていきたい、と思っている方に是非来て頂きたい。
本当にゲームが作りたい、作るのであればワールドワイドな環境の中で、優秀なタレントとタッグを組んで作ってみたいと考えているという方は是非、弊社をご検討ください。おすすめです!
―日本向けのタイトル、期待しています!本日はありがとうございました!
[関連リンク]